わたしがこの世界に存在して
わたしの無意識な肉体は存在して
目は物を見分け
耳は音を聞き分け
鼻は風を嗅ぎ
口は音を発し
手はあなたの背中に触れ
足は冷たい床に接し
空間を移動して
わたしの存在は瞬間
夜のバスは寂しい
地方から人々を拾い
高速道路へ入る頃には
すっかり日が暮れた
渋滞を抜けて
ゆっくり都会へ滑り込む
夜のバスは寂しい
新宿歌舞伎町
21時過ぎ
22時前
繁華街の人混み
座席から見下ろしていた
春の状況
南国の旅客船
陽気に唄うフィジアン
ギターに合わせ
Bula (ブラ)
ごきげんよう、楽しい人生を
青い海、沢山の小島
大きく手を振る子供達
僕たち二人はここに来た
時間はいらない
このままがいい
真っ赤に焼けた頬
このままがいい
桜が咲いた街中で
ふと思い出した
フィジアン
青い海
陽気な歌声
あの時に戻り
桜が咲いた只中
春光の角なき面や奈良の鹿
中川一政「草となって草を描くとき、草が見えた時、画家は自然と溶合する」
Roland SH2
一瞬一瞬の連続した実存を意識して
fumio=文魚
海中の文字達、それらのあるものは水面を漂い、あるものは深海に留まり、あるものは海流を移動して、只中に意味を超える。